フルボディトラッキング(フルトラ)比較2026|Quest単体・PC別のおすすめ7種
公開 2026-11-05
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この記事のまとめ
- Quest 3 / 3S だけで遊ぶなら、PCなしで直接つながる HaritoraX 2(約4万円)が第一候補
- PICO 4 Ultra を持っているなら、純正の PICO Motion Tracker(足+腰で約1.8万円)がいちばん安い
- PCVRで、ずれの少なさを重く見るなら VIVE Ultimate Tracker(約10万円)。基地局を置ける部屋があり、精度を最優先するなら SteamVR方式
- SlimeVR・BOOTHの個人製作品は安いが、設定を自分で調べられる人向け。mocopi は動画やVTuber活動にも使いたい人向け
VRChatで足や腰まで動かすフルボディトラッキング(略してフルトラ)。機器はいくつもありますが、仕組みも値段も、使えるゴーグルもばらばらです。しかも2026年は、HaritoraX 2 が Quest に直接つながるようになるなど、数年前の比較記事の「Quest単体ではフルトラは難しい」という話が変わってきています。
この記事では、2026年11月5日時点で手に入る代表的な7つを、自分の環境(ゴーグルとPCの有無)から逆算して選べるように並べます。価格はメーカー価格の目安で、実売はもう少し安いことが多いです。そもそもフルトラが要るかどうか、何点要るかはフルトラは要る?買う前に知りたいことにまとめました。
結論:自分の環境別に選ぶ
フルトラ機器選びで最初に決まるのは、「どのゴーグルで、PCを使うかどうか」です。Quest 単体で動くVRChat(Android版)と、PCで動くVRChat(PC版)では、使える機器がはっきり分かれます。
| あなたの環境 | 第一候補 | 次の候補 |
|---|---|---|
| Quest 3 / 3S だけ(PCなし) | HaritoraX 2 | mocopi(スマホ経由) |
| Quest 2 / Pro だけ(PCなし) | HaritoraX 2(スマホ経由) | mocopi(スマホ経由) |
| PICO 4 Ultra だけ | PICO Motion Tracker(足+腰) | HaritoraX 2(スマホ経由) |
| PCVR・予算を抑えたい | HaritoraX 2 | SlimeVR・BOOTHの個人製作品 |
| PCVR・ずれを減らしたい | VIVE Ultimate Tracker | HaritoraX 2+Add-on R |
| PCVR・精度最優先で部屋も使える | SteamVR方式(基地局+トラッカー) | VIVE Ultimate Tracker |
※「スマホ経由」は、トラッカーの信号をスマホのアプリが受けて、ゴーグルへ送る使い方です。
迷ったら、今持っているゴーグルのまま使える物から選ぶのが失敗しにくい順番です。あとでPCVRに移っても、HaritoraX 2 はPCでも使えるので無駄になりにくい、という点も覚えておくと選びやすくなります。
7種類の比較表
| 機器 | 方式 | ずれ | 寝転び | Quest単体 | PC | 本体の価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HaritoraX 2 | センサー(IMU) | △ 長く使うと出る | ○ | ○ Quest 3/3S は直結 | 不要(PCでも使える) | 39,999円 |
| PICO Motion Tracker | センサー+赤外線 | △ | △ 腰ありで改善 | PICO 4 Ultra なら○ | 不要 | 足 11,800円+腰 5,900円 |
| mocopi | センサー(IMU) | △ | △ | ○ スマホ経由 | 不要(PCでも使える) | 49,500円 |
| VIVE Ultimate Tracker | カメラ(トラッカー側) | ○ 出にくい | ○〜△ 体の下敷きは苦手 | × | 要る | 約10万円(3個) |
| SteamVR方式 | 基地局(レーザー) | ◎ ほぼ出ない | △ 基地局から隠れると外れる | × | 要る | 11万円前後〜 |
| SlimeVR | センサー(IMU) | △ | ○ | △ 上級者向け | 基本は要る | 279ドル(6個) |
| BOOTHの個人製作品 | センサー(IMU) | 製品による | 製品による | 製品による | 多くは要る | 1万円台〜 |
※価格は2026年11月5日に確かめたメーカー価格の目安(税込)。PICO Motion Tracker は発売時の価格、SlimeVR はクラウドファンディング時の価格です。◎○△は方式の一般的な傾向で、部屋や付け方でも変わります。
方式の違い:センサー・カメラ・基地局
フルトラ機器は、体の位置を「どうやって読むか」で3つに分かれます。ここが分かると、ずれや寝転びの得意・不得意が自然に分かります。
センサー(IMU)方式:手軽だが、少しずつずれる
IMU(慣性計測装置)は、スマホにも入っている「傾きと回転を測るセンサー」です。体に付けたセンサーの向きから、姿勢を計算します。カメラも基地局も要らず、布団をかぶっても読み取りが途切れないのが強みです。HaritoraX 2、mocopi、SlimeVR、BOOTHの多くの製品がこの方式です。
弱点はずれ(ドリフト)です。回転を積み重ねて計算するため、長く使うと向きが少しずつ狂い、アバターの足が変な方向を向くことがあります。ずれたら、機器のリセット操作や、VRChatでのキャリブレーション(体の位置合わせ)をやり直します。
カメラ方式:部屋を見て位置を読む
VIVE Ultimate Tracker は、トラッカー自体に2台の広角カメラが入っていて、部屋の様子から自分の位置を割り出します(メーカーの説明)。位置そのものを読むので、センサー方式よりずれにくいのが特徴です。その代わり、カメラが部屋を見られない状態(体の下敷きになる、真っ暗な部屋など)には弱くなります。
基地局方式(SteamVR方式):いちばん正確だが、大がかり
部屋の隅にベースステーション(基地局)を置き、そこから出る光をトラッカーが受けて位置を測ります。精度が高く、ずれがほぼ起きないため、ダンスや撮影など動きの正確さを求める人に選ばれてきました。ただし基地局の設置と電源が要り、トラッカーが基地局から隠れると外れます。
それぞれの特徴
HaritoraX 2(Shiftall):Quest単体ならまずこれ
胸・腰・両脚に付ける4つのユニットで、全身の動きを読みます。すねのセンサーには距離センサー(LiDAR)が入っていて、足首の上下も反映できるとされています。センサーは服の上の正面・背中・横のどこに付けてもよいとされ、メーカーは正座や寝転びにも対応するとしています。
大きな変化は、2026年9月1日に「Shiftall VR Manager」がMeta Horizon Storeで公開され、Quest 3 / 3S にBluetoothで直接つながるようになったことです。これでPCもスマホも使わず、Quest単体のVRChatで全身を動かせます(Shiftallの発表)。Quest 2 と Quest Pro は動作が不安定になるおそれがあるとして直結の対象外ですが、これまで通りスマホ経由なら使えます。PICO 4 Ultra でもスマホ経由での動作が確認されています。
ずれについては、地磁気センサーを有効にするとほとんどずれなくなるとメーカーは説明していますが、「10分に一度程度」体を動かして地磁気の精度を整える必要がある、という条件付きです。
- 体に付けるセンサーで全身の動きを読む方式。カメラや基地局が要らない
- 2026年9月から Quest 3 / 3S に直接つながり、PCなしで使える
- センサーの性質上、長く使うと少しずつ向きがずれることがある
Add-on R は、赤外線カメラで各センサーのずれを測って直す追加セットです。メーカーは HaritoraX 2 と合わせて「ずれない6点フルトラ」をうたっています。ただし動作環境は Windows 11 のPCで、Quest に直接つなぐ使い方では使えないと発表されています。Quest単体で遊ぶ人は、本体だけを買えば十分です。
- 赤外線カメラ1台と反射プレートで、センサーごとの「ずれ」を測って直す追加セット
- 使うには Windows 11 のPCが要る。Quest に直接つなぐ使い方では使えない
- HaritoraX 2 用と、2 Pro・ワイヤレス用でプレートが別
PICO Motion Tracker:PICO 4 Ultra の人の近道
PICO 純正のトラッカーで、足首に付ける2個組と、腰用の1個があります。PICO 版のVRChatは単体で動くので、PCなしで使えます。足用だけだと頭・両手・両足、腰用を足すと頭・両手・腰・両足の6点になります。メーカーは、全身のトラッキングには腰用と足用2個の併用が必要としていて、腰用があると座った姿勢や寝た姿勢の読み取りも良くなるとしています。
価格は足用2個組が11,800円、腰用が5,900円(いずれも発売時)。ゴーグル込みでも、フルトラまでの総額がいちばん安くまとまる組み合わせです。ただしPICO以外のゴーグルでは使えないので、Quest の人の選択肢にはなりません。
- PICO 4 Ultra 用。足に付けるタイプと腰に付けるタイプがある
- PICO 4 Ultra なら単体のVRChatで使える
- 足用の2個と合わせると、頭・両手・腰・両足の6点になる
- メーカーは、座った姿勢・寝た姿勢の読み取りが良くなるとしている
- PICO のゴーグル専用
mocopi(ソニー):VRChat以外にも使いたい人向け
直径3cmほどの小さなセンサー6個を、頭・両手首・腰・両足首に付けるモーションキャプチャー機器です。6個のセンサーから全身の姿勢をAIで推定する仕組みで、正しく読めるのは身長140〜190cmとされています(ソニー公式)。
VRChatでは、Quest単体ならスマホのアプリから送る形、PCなら「mocopi VR」というアプリを使ってSteamVRとつなぐ形で使えます。ソニーストアの通常価格は49,500円で、2026年6〜8月にも値引きのキャンペーンが行われていました。PCに直接つなぐための受信機が付いた「VRキット」(66,000円)もあります。
VRChat専用に作られた機器ではないので、VRChatのためだけなら HaritoraX 2 のほうが選びやすいです。一方で、動画づくりやVTuberとしての配信にも同じ機器を使いたい人には、ほかにない選択肢です。
VIVE Ultimate Tracker:基地局なしで、ずれにくい
トラッカーに内蔵したカメラで位置を読むので、基地局が要りません。位置そのものを測るため、センサー方式のように時間とともにずれていく心配が小さいのが一番の魅力です。ドングル1つで最大5個までつなげます。バッテリーは最大7時間(メーカーの見積もり)です。
VRChatで使うには、ドングルをPCに挿してSteamVRで使う形になり、Quest単体のVRChatでは使えません。3個+ドングルのセットで約10万円と、PC込みの予算を考えると大きな出費です。PCVRで長くフルトラをする人向けの機器です。
- トラッカー自体のカメラで位置を読むので、基地局(ベースステーション)が要らない
- ずれにくく、寝転びにも比較的強い
- PCが必要。Quest単体のVRChatでは使えない
SteamVR方式(ベースステーション+トラッカー):精度の基準
基地局2台と、VIVE トラッカー(3.0)などのトラッカー3個(腰・両足)が基本の組み合わせです。VRChatの公式ドキュメントでも、フルトラの例として VIVE トラッカーや Tundra Tracker といったこの方式のトラッカーが挙げられています(VRChat公式)。
費用は、基地局が1台25,575円(2023年の販売再開時のメーカー希望小売価格)、VIVE トラッカー(3.0)が1個19,000円で、基地局2台+トラッカー3個だと11万円前後になります。さらにPCも要ります。Quest のように基地局を使わないゴーグルと組み合わせる場合は、2つの位置の基準を合わせる設定(無料ツールを使うのが一般的です)も必要になり、手間が増えます。
天井近くに基地局を置ける部屋で、ダンスやイベントでの見栄えにこだわる人向けです。初めてのフルトラにはおすすめしません。
- 部屋の隅に置く基地局。普通は2台を対角に置く
- VIVE トラッカー(3.0)など、SteamVR方式のトラッカーを使うのに要る
- 1.0規格の機器とは組み合わせられない
- ベースステーションの光で位置を読むトラッカー。基地局は別売
- 腰と両足で3個が基本。1個ずつ買い足せる
- PCが必要。ドングルを挿すUSB端子が個数ぶん要る
SlimeVR:安くて小さいが、自分で調べる前提
SlimeVR は、センサー方式のトラッカーと、受け手のソフト(SlimeVR Server)を公開しているプロジェクトです。2026年2月には、厚さ7mm未満・10g未満の新型「Butterfly」のクラウドファンディングが始まり、6個+ドングルのセットが279ドルで募集されました。
基本は、PCで SlimeVR Server を動かしてSteamVRに渡す使い方です。公式の説明では、Server をスマホや Quest 本体で動かし、OSC(アプリどうしで動きのデータを送る仕組み)で Quest 単体のVRChatへ送る方法も紹介されていますが、設定は自分で調べて進めることになります。海外のサイトでの英語の注文になる点も含めて、慣れた人向けです。
- 体に付けるセンサー(IMU)の方式。厚さ7mm未満・10g未満と小さい
- 海外のサイト(Crowd Supply)での予約販売。注文は英語になる
- 受け手のソフト(SlimeVR Server)を自分で設定して使う
BOOTHの個人製作品:選ぶ目と、割り切りが要る
BOOTH では、個人が作ったセンサー方式のトラッカーが1万円台から出ています。多くは SlimeVR の仕組みに合わせて作られていて、使うには SlimeVR Server の導入と設定が要る、と販売ページに書かれている物が多いです。
安さは魅力ですが、性能は作り手の説明(自己申告)しか手がかりがなく、故障したときの対応も作り手しだいです。買うなら、販売ページで「必要な物(PC・SteamVRなど)」「対応するソフト」「保証や問い合わせ先」を読んでから決めてください。初めての1台にはおすすめしません。
寝転び・ずれで選ぶ
VRChatでは、寝転んで話したり、そのまま眠ったりする遊び方も定着しています。寝転びを重く見るなら、方式ごとの向き・不向きを知っておくと選びやすくなります。
- センサー方式(HaritoraX 2・SlimeVR など):布団をかぶっても途切れません。ただ長時間じっとしていると、ずれが目立つことがあります。
- カメラ方式(VIVE Ultimate Tracker):ずれにくい反面、トラッカーが体の下敷きになるなど、カメラが部屋を見られないと外れます。
- 基地局方式(SteamVR):基地局から見えている間は正確ですが、横になると体でトラッカーが隠れやすく、置き方の工夫が要ります。
- PICO Motion Tracker:腰用を足すと寝た姿勢が良くなるとメーカーは説明しています。
「寝転びもしたいし、ずれも嫌」という人は、PCVRなら VIVE Ultimate Tracker か HaritoraX 2+Add-on R、Quest単体なら HaritoraX 2 を選び、ずれたらこまめに直す、というのが現実的な落としどころです。
総額の目安(ゴーグル込み)
フルトラは、トラッカーだけでなくゴーグルとPCを含めた総額で考えると比べやすくなります。
| 組み合わせ | 総額の目安 |
|---|---|
| Quest 3S(128GB)+HaritoraX 2 | 約10万円(59,400円+39,999円) |
| PICO 4 Ultra+Motion Tracker(足+腰) | 約12万円(104,900円+11,800円+5,900円) |
| Quest 3+HaritoraX 2 | 約14万円(102,300円+39,999円) |
| PCVR(PC+Quest 3)+VIVE Ultimate Tracker | 約45万円〜(PC 25〜30万円+102,300円+約10万円) |
| PCVR(PC+Quest 3)+SteamVR方式 | 約46万円〜(PC 25〜30万円+102,300円+11万円前後) |
※2026年11月5日時点のメーカー価格をもとにした目安(税込)。PICO Motion Tracker は発売時の価格です。PCの価格はVRChat用PCのスペック目安を参考にしています。
PCをまだ持っていないなら、フルトラのためにPCVRへ進むより、まず Quest+HaritoraX 2 で始めるほうが、出費は数分の一で済みます。PC版にしかないワールドやアバターの見え方が欲しくなってから、PCを考えても遅くありません。
買う前に確かめたいこと
- ゴーグルの型番:Quest 3 / 3S かどうかで、HaritoraX 2 の直結が使えるかが変わります。
- 使えるアバター:Quest 単体のVRChatでは、Quest に対応したアバターしか使えません。フルトラ自体は使えても、着たいアバターが Quest 非対応なら意味が薄くなります。詳しくはQuest単体のVRChatでできる事・できない事へ。
- 部屋の広さ:足を動かす・寝転ぶ遊び方では、床の空きが要ります。目安はフルトラは要る?に書きました。
- 充電の手間:トラッカーは数が多いぶん、充電もひと手間です。HaritoraX 2 はLiDARを切れば脚ユニットで約50時間、VIVE Ultimate Tracker は最大7時間とされていて、遊ぶ頻度によって負担が違います。
最後にもう一度まとめると、Quest単体なら HaritoraX 2、PICO 4 Ultra なら純正トラッカー、PCVRで本気なら VIVE Ultimate Tracker か SteamVR方式です。まずは今のゴーグルで使える物から始めて、ずれや精度に不満が出たら上の段階を考える、という順番をおすすめします。